その177(りらく2025年12月号)
10月のはじめ、岩手県と秋田県との県境に位置する八幡平へ登山とキャンプを兼ねて行って参りました。八幡平は、今年の4月にもスキーツアーで訪れていますが、無雪期に登るのは初めてです。
八幡平を横断する観光道路のアスピーテラインを岩手県側から車で登り、秋田県との県境に位置する見返峠の駐車場に車を停め、岩手県側の茶臼岳(標高1578m)を目指します。登山口の標高は1480mですので、頂上との標高差は100mもないのですが、茶臼岳の頂上まで5・5㎞の登山道は、途中いくつかのアップダウンがあるので、累計高度は230m程あり、往復で460mとなり、山歩きを堪能できるルートです。
当日は、朝から雲一つない青空が広がり、登山道からはその南に位置する岩手山がくっきりと見えました。この八幡平登山の魅力は、登山道沿いにいくつかある池沼群と、お天気にさえ恵まれれば南部富士と呼ばれる岩手山の美しい山容をも眺めることができるところです。
下山後は、麓のキャンプ場にテントを設営し、登山とキャンプとダブルで楽しんだ2日間となりました。

前回に引き続き高齢者の財産管理についてのお話です。前回は成年後見制度の一つである法定後見制度のメリットとデメリットについてご紹介致しました。今回は、法定後見制度を実際に利用した私の母の事例をご紹介したいと思います。
母は、5年ほど前に老衰により93歳で亡くなりました。それよりさらに4年ほど前に私の父が95歳で亡くなっており、その父の遺産相続の際、当時すでに要介護5の認定を受けていた母は「本人確認」ができない状態となっていました。父の遺産相続に関して母を被後見人とする法定後見人をつけないと、遺産分割協議ができないため、仙台家庭裁判所に母を被後見人とする後見開始の申立てを行いました。その後、家庭裁判所から司法書士の先生を母の法定後見人とする決定通知書が届き、母の法定成年後見が開始されました。
相続人である母に法定後見人が付いたことにより、父の遺産に関する遺産分割協議を行うことが可能となり、母に代わって法定後見人が遺産分割協議に加わることになりました。その遺産分割協議ですが、あらかじめ家庭裁判所から法定後見人を通じ「被後見人(母)の取り分は、民法の規定による法定相続分(1/2)とし、その内訳は可能な限り預貯金等の金融資産とすること」という指示があったのです。つまり、遺産分割協議に法定後見人が加わると他の相続人の意向にかかわらず、国が被後見人の利益を優先する主張をすることになるのです。私を含め他の相続人はこれを認めて、もめることもなく遺産分割協議は円満に終了したのですが、場合によっては法定後見人と他の相続人との間で利害が対立し遺産分割協議がまとまらなくなる可能性もあり得ると思った次第です。
無事父の遺産分割協議は終了したのですが、前回もご紹介したように、母の成年後見はそれで終わりではなく、母が亡くなるまで続きました。法定後見は、被後見人が亡くなるまでは勝手に取りやめることはできないのです。次回は、父の遺産分割が無事終了した後、母が亡くなるまでの5年間の母の成年後見についてご紹介したいと思います。