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その176(りらく2025年11月号)

 9月の終わりに鳥海山で「秋スキー」を楽しんできました。この時期ともなりますと、さすがに今年積もった雪も谷間に雪渓としてわずかに残っている程度で、長さにして200mあるかないかです。私の足前では4ターンから5ターンが限度ですが、それでもこの時期にスキーができるだけでありがたいです。こんな時期にわざわざ重たいスキーの板とブーツを背負って急峻な山を登り、雪とは名ばかりのボコボコの硬い雪渓を滑るようなスキーヤーは余程のもの好きとしか言いようがないと思うのですが、これはこれで結構楽しいのです。
 雪渓が残っているのは鳥海山(標高2236m)の中腹です。心字雪渓といわれる雪渓がある標高1600m付近で、周辺は既に灌木が紅葉していてすっかり秋の気配です。10月になれば例年ですと初旬には初雪が降ります。そして来年の3月までの半年間は雪に覆われて人を寄せつけない厳しい冬の時期を迎えることになります。
 当日は朝から好天に恵まれ、雲一つない「鳥海ブルー」と呼ばれる真っ青な空が広がっていました。しかも気温も10度前後で、じっとしていますと寒いくらいですが、登山やスキーにはちょうど良い気候です。わずかな距離の雪渓の斜面を何度か登っては滑り、下山するときの体力を残して秋スキーを十分楽しんだ一日となりました。

8月の心字雪渓 9月下旬の心字雪渓 鳥海山麓の紅葉 秋スキー


 前回は、「本人確認」ができなくなった高齢の方の財産管理は「法定後見人」が本人に代わって行うことができる、ということをご紹介いたしました。この「法定後見人」は、本人に代わってすべての法律的な行為を行うことができます。具体的には、法定後見人は、契約などの法律行為を行う「代理権」と、被後見人が行った法律行為を取り消せる「取消権」を有しており、ご本人に代わって不動産の売買契約や賃貸借契約等あらゆる契約行為を行うことができます。預金の引き出しや預け入れ、有価証券の売買等も後見人の権限で行うことができます。本人確認ができなくなって凍結されていた預金口座も法定後見人の権限で出し入れができるようになります。
 このように、法定後見人にはかなり強力な権限が与えられているのですが、問題がないわけではありません。法定後見人は、被後見人の財産を守ることがその役割ですので、同居する家族や親族のために便宜を図ったりすることはできません。例えば、金融機関からの新たな借入れ、重要な財産の売買、相続・贈与、所有する家屋等の大規模修繕などの行為が制限され、家族としても困る場合が生じる可能性があります。
 また、法定後見人の選任は、家庭裁判所が行い、家族や親族の方が法定後見人に選ばれることはほとんどありません。通常は、弁護士や司法書士等の資格のある専門家が法定後見人に選任されます。したがいまして、後見人に支払う費用負担も生じることとなります。そして、いったん法定後見人をつけると、被後見人の判断能力が回復するか、死亡するまで原則として法定後見人を解任することはできなくなりますので特に注意が必要です。
 以上のように、法定後見人は被後見人に代わり強力な権限を有する一方で家族の方々との利害が食い違うといった問題点も生じる可能性がありますので、この制度を十分理解した上で活用することが大切です。
 次回は、法定後見制度を利用した具体例をご紹介したいと思います。

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