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その172(りらく2025年7月号)

 新緑が眩しい5月下旬。山形県の北部を流れる小国川水系の渓流に釣行しました。今年の冬は積雪が多く、その影響で5月に入っても山間部では渓流の雪代(ルビ=ゆきしろ)(雪解け水の増水)がなかなか収まらず、例年より遅い釣行となりました。
 それでも、この時期になりますと、水棲昆虫の羽化が始まり、それを狙ってヤマメやイワナが水面に出てこれを盛んに捕食するようになります。そのため、羽化したトビケラや蚊に似せたドライフライ(毛バリ)を川面に浮かせ、釣り上げるのです。
 渓流に着いて様子をうかがうと、羽化したばかりの水棲昆虫が水面すれすれに飛んでいて、遠くの方では時折渓魚がライズ(川面に飛び出すこと)して餌を捕食しているのが見えました。はやる気持ちを抑えて、選んだ毛バリを慎重に道糸の先に結びます。毛バリのサイズや種類の選択を誤ると渓魚はまったく見向きもしてくれません。
 ようやく準備完了。竿を前後に振りながら少しずつ釣り糸を出して狙うポイントへ毛バリを送り込みます。うまく狙ったポイントに毛バリが届き、水面をゆらゆらと漂いながら流れていきます。すると突然、水面を割って魚が毛バリに飛びつきました。ほんの一呼吸おいて竿を立てると、手応えが竿を握った手に伝わってきました。けっこうな引きです。掛かった獲物が何とか逃れようと水中で横に走り、魚体がギラっと光るのが見えます。なんとか手元に手繰り寄せると良型のヤマメでした。その後も、ヤマメだけでなくイワナも何匹か掛かり、シーズン初めにして幸先の良いスタートとなりました。

新緑の渓流 良型のヤマメ イワナ自作の毛バリ


 今回も金銭消費貸借契約に関してのお話です。これからお話しする内容は、親子間におけるお金の貸し借りだけではなく、兄弟や縁戚関係のない他人同士、法人との契約の際にも留意すべき項目です。
 まず1点目。お金の貸し借りは、貸主及び借主共にそれぞれの預金通帳を通して行い、貸した金額及び返済した金額が記録として残るようにしておきます。これにより、貸し借りの動きが預金通帳に記録され、記憶違い等、お互いのトラブルを防ぐとともに、返済した事実が預金通帳に記録として残りますので、贈与ではないことを税務当局に証明することができます。
 2点目。相続税の申告案件等の業務において、税理士として遺産の調査を行う際には、過去数年分の親子間や夫婦間のお金のやり取りに関してお伺いすることになるのですが、それが贈与なのか金銭消費貸借なのか判然としない場合が多く見受けられます。そのどちらに該当するかで被相続人の金銭債権として相続財産に該当するのか、あるいは相続税の生前贈与加算の対象年数を経過した贈与財産に該当するのか等の判断をすることになります。貸し付けたものであれば、金銭消費貸借契約書を、贈与であれば、贈与をした時点で贈与契約書を交わしておけば、そのような問題は生じなくなります。
 3点目ですが、何らかの事情で借り手の方が返済不能に陥った場合の対策です。若干費用がかかりますが、子どもに不動産の購入資金を貸し付ける場合、子どもが購入した土地・建物に抵当権(担保)を設定しておきます。何らかの事情で返済不能となった場合には、その抵当権を設定した不動産で返済を受けることも可能です。大切な老後の生活資金を貸すわけですから、このような保全策を行っておけば、より安心です。この対策は他人同士の金銭貸借の場合でも有効です。

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