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その170(りらく2025年5月号)

 忙しかった所得税確定申告業務が終わり、日中の気温も20度近くまで上がるようになった3月下旬、釣り道具一式を車に積んで渓流に向かいました。この時期、山の奥には未だ雪が残っていますが、標高の低い里山周辺の渓流は積もっていた雪も消え、そろそろイワナやヤマメがエサを求めて活性化する頃です。
 3月下旬と言いましても、朝は氷点下に近い気温ですが、風もなく流れも穏やかで、早速小さめの毛バリ(フライ)をセットしてポイントを探します。この時期の渓流は、岸辺の木々がいまだ芽吹き前で葉が茂っていない分、視界が開けて竿も振りやすく、期待にわくわくします。ゆっくりとフライロッドを前後に振りながらラインを伸ばし、獲物がいそうなポイントの少し上流に毛バリを送り込みます。最初は反応がありませんでしたが、少しずつ上流の方へ移動しながらポイントを探っていくと、突然毛バリが水面から消えました。獲物が水中から毛バリを吸い込んだ瞬間です。すぐに竿を立て、ラインを手繰り寄せると、綺麗なヤマメがしっかりと毛バリをくわえていました。写真を撮り、針を外して流れに戻してやりました。その後は反応がありませんでしたが、シーズン初めにヤマメが釣れ、幸先の良いスタートとなりました。

早春の渓流 ヤマメのポイント 早春の花ショウジョウバカマ綺麗なヤマメ


 話は変わって、前回に引き続き親子間における金銭消費貸借契約を活用した、子どもの住宅取得資金の支援方法についてのお話です。この方法は、住宅を購入しようとする子どもに親がその取得資金を貸し付け、その後、何年かにわたって分割して返済してもらうことにより、親の老後の生活資金も確保する方法ですので、子どもは借りたお金を確実に返済していくことが前提条件です。
 そのためには、返済義務を負う子どもの収入に見合った年間の返済額と返済期間を金銭消費貸借契約書に明記しておくことが大切です。その際、利息は付けても付けなくても良いです。利息を付けなければ、金融機関から住宅ローンを借りる場合よりも借りた方の負担は少なくて済みます。
 利息を付けた場合は、その年間の利息の金額が収入とされますので、貸し手側は所得税確定申告が必要となります。ただし、貸し手が年金所得者や給与収入のみで、不動産の貸付けや事業を行っていない方の場合、その利息収入が年間20万円以内であれば、所得税は課税されず、所得税確定申告も不要です。なお、利息収入が20万円以下であっても住民税は課税されます。
 利息を付けない場合は、仮に利息を付した場合の利息収入の相当額が子どもに対する贈与となりますが、その額が年額で110万円の贈与税の基礎控除額以下であれば、借り手側に対する贈与税の課税もありません。
 なお、実質的に贈与であるにもかかわらず形式上貸借としている場合や「ある時払いの催促なし」または「出世払い」というような貸借の場合には、税務上はお金の貸し借りとは認められず、贈与として取り扱われますので注意が必要です。
 次回は、金銭消費貸借契約書の具体的な作成方法についてご紹介したいと思います。

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