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その169(りらく2025年4月号)

 2月の中旬、八甲田でバックカントリースキーを楽しんでまいりました。八甲田は、青森県のほぼ中央に位置する山域で、標高1585mの八甲田大岳を主峰に、いくつかの山々が連なり、無雪期の登山から冬期の山スキー(バックカントリースキー)まで、1年を通して楽しむことができます。  当日は、目指す田茂萢(たもやち)岳山頂に通じる八甲田ロープウェイが強風で運休となったため、八甲田スキー場のリフトで標高850m地点まで上がり、そこからスキーにシールを付けて標高差735mの頂上を目指しました。地元のガイドさんを先頭に18名でパーティを組んでのスキーツアーです。幸いにも晴れて上空には真っ青な空が広がっていました。

 広葉樹の林を抜けると次第に樹氷の元となる大きなアオモリトドマツが目立つようになり、さらに登って行くとそのアオモリトドマツ全体が雪に覆われ、見事な樹氷群となって前方に広がっているのが見えてきました。振り返れば、眼下には青森の街が、さらに遠方には雪を戴いた岩木山が見えました。  田茂萢岳の頂上に着いて一休みした後、ガイドさんの先導で一人ずつ無木立の広い急な斜面を滑り降ります。参加者は皆、登山の知識・経験や山スキーの技術を一定レベル以上持っている人たちばかりですので、見事なシュプールを描いて滑り降りて行きます。私も慎重に板をコントロールしながら、なんとか急斜面を転ばずに滑り降りることができました。お天気に恵まれ、パーティのメンバーにも恵まれ、充実したスキーツアーとなりました。

遠くに岩木山を望む 八甲田の樹氷 シールを外して滑降の準備滑り降りた無木立の斜面


 前回から、親子間での贈与に代わる住宅取得資金の支援方法として、金銭消費貸借を活用した方法をご紹介しています。  このところの不動産価額の上昇や建築費の高騰により、戸建て、マンションを問わず、子育て世代が住居を取得するための住宅取得資金の確保が自己資金や住宅ローンだけでは難しくなっています。その一つの解決策が親からの資金援助です。贈与による支援方法に関しては、先々月号でご紹介しましたが、今回は、先月号に引き続き、親子間での金銭の貸し借りによる住宅取得の方法について詳しくお話ししてみたいと思います。

 親が子の住宅取得資金を援助する際、まず優先すべきは自分自身の老後の生活資金の確保です。その上でさらに子どもたちに資金援助するには相当の額の財産が必要です。  自らの老後の生活資金を確保しつつ、同時に子の住宅取得資金の援助も行うやり方が、親子間での金銭の貸借による方法です。住宅取得資金を子に贈与してしまえばそのお金は還っては来ませんが、資金を貸し付けるのであれば、そのお金は将来還ってきますので、老後の生活資金を一旦子に貸し付け、その後何年かにわたって分割して返してもらえば、老後の生活資金の問題もなくなります。

 ただし、貸したお金を、約束通りきちんと返してもらう必要があります。その約束を明確化し確実にする方法が「金銭消費貸借契約」です。この方法によれば、若い世代の住宅取得の助けとなり、一方で、それを貸した親にとっては、貸したお金を分割して返済してもらうことにより、老後の生活資金に充てることができ、ウィンウィンの親子関係となるわけです。  次回は、この金銭消費貸借契約で決めておくべき内容について詳しくお話ししてみたいと思います。

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