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その139(りらく2022年10月号)

 9月の上旬、山形の小国川水系のとある渓流に釣行しました。釣りのタックル(道具)はフライ(毛鉤)用です。今回は先ずこのフライフィッシングの魅力をご紹介したいと思います。
 渓流釣りのタックルにはエサ釣りやルアー(小魚を模した疑似針)用のものがありますが、私の場合は毛鉤を使ったフライフィッシングです。長さ2・5メートル前後のフライフィッシング用の竿を、鞭のように前後に振ってしならせながら釣り糸を伸ばし、遠くまでフライを飛ばして川面に落とします。そしてあたかも餌となる昆虫が上流から流れてきたかのようにフライを流し、下流で餌が流れてくるのを待っているイワナやヤマメなどの渓魚を釣り上げます。
 毛鉤を使った釣りには、他にテンカラ釣りがありますが、テンカラ用のロッドにはリールがありませんので、それほど遠くまでフライを飛ばすことはできません。一方、フライロッドには竿尻に小さなリールが付いているので、これを少しずつ引き出しながら釣り糸を長くしていき、遠くまでフライを飛ばすことができます。
 フライも自分で作ります。材料は釣針の他、鳥の羽根や鹿の毛等です。これらをうまく釣針に巻きつけると不思議、渓魚の餌となっている蛾やカゲロウ、蚊等の昆虫に似せたフライが出来上がります。自分で作ったフライを使って清流に棲む渓魚を釣り上げる。これは他の釣りにはない大きな魅力です。
 今回の釣行でも、手製のフライでなんとか尺近いイワナやヤマメを釣り上げることができました。




 さて、前回に続き生前贈与のお話です。贈与税の基礎控除額の年間110万円と別枠で贈与税が非課税となり、かつ、その後贈与者が亡くなり相続が発生しても相続税の課税対象となる生前贈与加算がないという特例のご紹介です。
 その4つ目として今回ご紹介するのは、「結婚・子育て資金の一括贈与の特例」です。年齢18歳以上(令和4年3月31日以前の贈与に関しては年齢20歳以上)50歳未満の子や孫の結婚・子育て資金を一括して親や祖父母から贈与を受けた場合、一定の条件のもとに1千万円までの金額について贈与税が非課税となる特例です。この特例を使って贈与を受けた場合も原則相続税の生前贈与加算の適用がありませんので、相続税の節税対策として即効性がある生前対策です。
 この特例を受けるための要件は「教育資金の一括贈与の特例」と同じような内容となっています。なお、贈与者が死亡した場合、一括贈与した結婚資金や子育て資金の内その時点で未使用の残高は、生前贈与加算の対象となりますので、これらの贈与を受けた場合は速やかに受贈者の結婚費用や子育て費用として使い切ってしまう必要があります。
 以上のように、この特例は利用できるケースがそう多くないと思いますが、贈与税の基礎控除額の110万円を超える位のまとまった結婚資金や子育て資金が必要な場合で、この特例を使って生前贈与することにより、贈与者の遺産の額が相続税の基礎控除額を下回るような場合などは検討してみる価値があると思います。
 なお、教育資金と同様に結婚資金や子育て資金を扶養義務者である親や祖父母がその都度負担する分には贈与税は課税されません。
 次回は特別障害者に対する生前贈与の特例をご紹介したいと思います。

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