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その136(りらく2022年7月号)

 梅雨入り前の6月初め、飯豊(いいで)連峰の「石転び沢雪渓」に行ってまいりました。石転び沢雪渓はその名の通り、落石等が多い急峻な沢というよりはV字の深い谷で、国内でも有数の大雪渓があるところです。飯豊の一帯は全国でもとくに山深い山域で、その分だけ山好きには魅力のある山やルートがたくさんあります。石転び沢雪渓も麓の登山口から雪渓上部の尾根にある梅花皮(かいらぎ)小屋まで、標高差1500m、距離は10kmほどあり、それなりの装備と体力が要求されます。
 登山口に前泊し、早朝スキーの板と2日分の飲料水や食料・装備を入れたザックを背負って山小屋を目指しました。見上げると前夜からの雨も上がって青空がのぞいています。しばらくの間登山道を登って行くと標高600m付近で雪渓が現れました。その少し先から雪渓に降り立ち、アイゼンを付けて登って行きます。雪渓は標高が上がるほどに途中所々に大きな石やデブリ(雪崩の跡)が現れてきます。落石や雪の塊の落下に気をつけながらさらに登って行くと、いよいよ雪渓の上端の尾根が見えてきました。斜度はさらに増し、振り返って登って来たルート見下ろすと足がすくみそうになります。慎重にステップを刻んで登って行くと目の前に標高1850mの尾根に建つ立派な山小屋が現れました。尾根からは南方に飯豊の山々、北方に朝日連峰、東側には石転びの谷の向こう側に遠く蔵王の山々を望むことができました。自分の足でここまで登って来れたからこそ観ることのできる景色です。

 翌朝も天気は上々で、小屋から30分ほどの北股(ルビ=きたまた)岳(標高2025m)の頂上を踏んでから、スキーで一気に石転び沢雪渓を滑り降りたのでした。

キャンプ道具一式を背負ってテントの中でモーニングコーヒー
パウダースノーを満喫パウダースノーを満喫


 さて、生前贈与の活用ですが、贈与した後に贈与者の相続が発生した場合でも、相続財産に加算されない贈与についてご紹介しております。
 前回までオシドリ贈与(夫婦間の居住用財産の贈与)についてお話をしてまいりました。今回からは、親から子や孫へ住宅取得資金を贈与した場合の贈与税の特例についてご紹介したいと思います。この住宅資金の贈与も、その後贈与者が3年以内に亡くなられても、相続財産への生前贈与加算がありませんので、若年世代の住宅取得の助けとなる他、相続税対策としても有効なものです。
 この特例は、子や孫が父母や祖父母から住宅取得資金の贈与を受けた場合には、一定の金額まで贈与税を非課税とするものです。通常の贈与においては贈与税の基礎控除額が年110万円ありますが、これとは別に贈与金額で500万円または1千万円までの住宅取得資金の贈与については非課税とされます。この非課税金額ですが、一定の要件を満たす省エネ等住宅に関しては、1千万円まで非課税、それ以外の住宅の取得資金に関しては500万円まで非課税となります。
 なお、この特例を受けるためには、一定の要件を満たす必要があります。その詳細に関しましては次回詳しくお話ししたいと思います。

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