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その123(りらく2021年6月号)

 ゴールデンウイークはいかがお過ごしでしたか。私は、山への憧れ断ち難く、事前にPCR検査を受け陰性であることを確かめた上で、福島県と新潟県、 山形県の3県にまたがる飯豊山地にある「石転び沢雪渓」に行って参りました。飯豊は東北の山々の中でも特に深い山域で、自分も含め山好きな方にとりましては、とても魅力的な山が多いところです。
特に、目指す石転び沢雪渓は、登山をする人にとりましても山スキーをする人にとりましても、体力とそれなりの登山および山スキーの技術が要求される難易度の高い雪渓で、それゆえに魅力的な山域でもあります。しかも車止めから雪渓まで4時間以上を要する奥地にあり、さらにその先の長大な雪渓を越えたところに飯豊山地の主稜線が横たわっているという難コースです。

新雪に覆われた鳥海山残っていた先シーズンの雪渓
今回は1泊2日の日程で、夜は雪渓の上でテント泊の計画です。装備は、スキーセットの他、アイゼン、ピッケル等も必要です。これに寝袋や3食分の食料、水、非常食などを含めると、ザックの重さは半端ではありません。幸い、同行のMさんは学生時代から山岳部に属し、社会人になられてからも地元の山岳会で活躍されたベテランで、今回の登山ルートも何度か辿られた経験のある方ですので、私にとりましては大変心強いパートナーに恵まれての山行となりました。
 初日は晴天に恵まれ、長いアプローチを経て雪渓に辿り着き、そこからさらにスキーにシールを付け、キャンプ予定地の「石転び沢雪渓出合」という場所に向かいました。そこは、飯豊山地の主稜線から下りてくる二つの雪渓が出会う広々とした谷間にありました。
 翌日早朝、稜線に向かって右手の門内沢の雪渓を辿り、標高1887メートルの門内岳を目指しました。登る程に斜度がきつくなり、稜線の手前からはスキーをデポし、ストックをピッケルに持ち替え、ツボ足でアタックです。
 残念ながら稜線まであと僅かとなった標高1640メートル地点に至り、稜線から吹いてくる強烈な風の為、Mさんの判断で引き返すことになりました。結局、門内岳の頂上を踏むことは出来ませんでしたが、スキーをデポしてきた場所まで戻り、そこからは期待通りの快適な滑走を存分に楽しんだのでした。

Myシュプール滑走を終えて


  今回から生前贈与の具体的なお話をして参りたいと思います。内容としては、主に親子等の親族間で様々な事情があって金銭や住宅などの不動産の贈与を行う際の、税金の問題やその後に必ずやってくる相続との関係についてです。
 財産の贈与を行うと、その贈与の額が110万円の贈与税の基礎控除額を超えますと、その超えた部分に対して最低で10%の贈与税が課税されます。そして、その贈与税を納める義務があるのは財産の贈与を受けた受贈者となります。
 また、親子間で財産の贈与を行った場合、それは将来発生する相続の際の遺産の前払いとみなされ、実際に相続が発生した場合は、生前に受けた贈与財産も遺産の一部として相続開始時点での遺産に加算し、具体的に相続人が法定相続分により取得することができる遺産の額を計算することになります。少々分かりづらいですが、次回からは具体的な事例でお話ししてみたいと思います。

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