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その122(りらく2021年5月号)

 桜の見頃が終わって、新緑の季節となりました。里山は雪も消えて、私の大事なアウトドア活動の一つとなっている「薪狩り」がスタートする時期です。自宅の暖房は薪ストーブがメインですので、薪が大切な燃料となっています。雪が消え下草が生えてくる前の、4月から梅雨入りまでが森の中での薪狩りのシーズンとなります。

新雪に覆われた鳥海山残っていた先シーズンの雪渓
薪ストーブ用の薪は、割って乾燥済みのものが販売されているのですが、私の場合は、たまたま今の自宅を建築していただいた工務店さんが宮城県内に山林を所有されており、そのご厚意でナラやカエデなどの広葉樹を分けてもらっています。ただし、危険な立木の伐倒はプロの方にやっていただき、切り倒したままの倒木をその場で長さ40センチ前後の丸太にして切り出すのはこちらがやらせていただくことにしています。結構大変な作業ではありますが、寒い冬に備えて生活で使用する薪の材料を山から切り出し、自分で割って使えるというのはありがたいことです。
倒木は、山の斜面に倒したままになっていますので、先ずは枝をはらってからチェーンソーで薪にちょうどいい長さに切断します。これを玉木切りといいます。玉木は斜面から車を停めてある林道へ転がしながら運んで積み込みます。これらの作業は、足元が不安定ですので、ヘルメットを被り、安全靴を履いて、チェーンソーから守る専用のズボンを着用しての作業となります。
これからしばらくの間、大変ではありますが充実した楽しい作業が続きます。

Myシュプール滑走を終えて


 さて、今回から、生前贈与についてお話ししてまいりたいと思います。総務省の「全国消費実態調査」によりますと、国民の金融資産(現金、預貯金、債券、株式等)全体に占める70歳以上の高齢者の方の保有割合は3割以上にもなっています。また、高齢者世帯ではその貯蓄額が2500万円以上の世帯が約3分の1を占めているということです。
 その一方で、49歳以下の世帯の貯蓄残高と負債残高(主に住宅ローン)を比較しますと、負債残高が貯蓄残高を上回っており、加えてこの世代の実質所得の伸び悩みもあって、世代間での保有財産の格差が顕在化しています。
 個人のこれらの財産や債務は、いずれはその方の死亡により相続が発生し、次の世代に移転していくことになるのですが、超高齢化社会を迎え、次世代への個人財産の移転が遅々として進んでいないという問題が生じています。
 一方で、認知症の患者数は、2020年でおよそ600万人と見込まれ、高齢者の増加に伴い、認知症の高齢者も増加する傾向にあります。認知症が進行しますと、自己の財産の管理や処分が不可能となり高齢者の金融資産の偏在が一層顕著となることが予想され、相続による次世代への財産移転も更に遅延するという事態が増大することになります。
 少々大きなお話になってしまいましたが、以上のような背景をご認識いただいた上で、世代間の生前贈与について、次回から具体的なお話をしてまいりたいと思います。

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