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その109(りらく2020年4月号)
初夏の渓流

 宮城では3月になると渓流釣りが解禁となります。例年ですと3月は山の中の渓流は未だ雪で覆われており、気温も低いので渓魚の活性もいま一つで、あまり釣果は期待できないのですが、それでも解禁となればやはり出かけない訳には参りません。
 今年も3月初旬の土曜日に泉ヶ岳山麓の渓流に行ってみました。林道は未だ雪に覆われており、それでも例年よりは積雪は少ないのですが、スキーを履いてポイントを目指します。スキーはテレマークスキーといって、つま先を固定しただけの軽くてシンプルなものです。また、滑走面がウロコ状になっているため、多少の坂道でも登ることができます。踵が自由に動くので、スキーを履いたまま軽快に歩くことができ、野山を闊歩するのに適しています。ザックには、釣り道具一式の他に温かい飲み物とランチを詰めて、釣りとスノーハイキングの両方を楽しもうという目論見です。

自製のフライ 目指す渓流に着いて様子をうかがうと、期待通り川面は雪が少なかった分、いつもより広々していて毛バリを飛ばすのも楽そうです。はやる気持ちを抑え、先ずは竿を組み立て、ラインの先には前の晩に用意しておいた自作の毛バリをセットして慎重に渓流に降り立ちます。

 ところが、魚が居そうなポイントに何度か毛バリを飛ばしてみたものの、全く反応がありません。自信の毛バリがむなしく手許まで流れて来るだけです。その後も場所を移動し他の種類の毛バリに交換して何度かトライしましたが、初釣行は結局ボウズ(1匹も釣れないこと)に終わってしまいました。お天気も良く、風も無くて絶好のコンディションだったのですが、岩魚君達はどこかに行ってしまったのか、はたまた自作のフライが気にくわなかったのか、自然相手の遊びは思うようにはいきません。毛バリを飲み込んだ大岩魚

 気を取り直し、時間もまだたっぷりあったので、スキーハイクを楽しむことにしました。再びスキーを履いてブナの森に分け入ると、ウサギやテンの足跡が点々としています。こちらも軽快なテレマークスキーを履いて、ウサギやテンになった気分でブナの森のハイキングを楽しんだのでした。

 


 昨年の2月号から1年以上にわたり、相続にまつわる民法の改正についてお話しして参りましたが、今月号からは、「自筆証書遺言書の保管制度」に関して何回かに分けてお話をして参りたいと思います。この制度は、今般の民法の改正に伴い新たに創設された国の制度です。端的に申し上げると、「自筆の遺言書を国が保管します!」という画期的な制度です。
 昨今、高齢化の進展で相続に関するトラブルが増加しつつあることもあり、国が責任をもって自筆の遺言書を保管することで、遺言にまつわるトラブルを未然に防ごうという観点からこの制度が新たに設けられました。
 先代から承継し、あるいはご自分で築き上げた大切な財産を、ご自分の意思で将来に繋げていく最終の手段が遺言書です。この制度は、その遺言制度をさらに普及させ、国がバックアップしていこうというものです。

 次回からはその詳細について分かり易くお話しして参りたいと思います。
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