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その107(りらく2020年2月号)
初夏の渓流

 今シーズンは、全国的に極端に雪の少ない冬となっています。宮城県内のスキー場は、1月に入っても一部滑走ができないゲレンデがあるようです。そんな中、雪を求めて月山に向かいました。月山にもスキー場があるのですが、オープンは4月下旬ですので、それまでは麓の志津温泉の先からスキーの板にシールを付けて自力で登って行かなければなりません。目指すのは月山の手前にある標高1670メートルの姥ヶ岳山頂です。

自製のフライ さすがは月山。雪不足の今シーズンでもたっぷりと雪は積もっていました。シベリアからの北西風が日本海を吹き抜ける際に、たっぷりと水分を取り込み、直接月山の山並みにぶつかるため、月山周辺は元々全国でも有数の豪雪地帯なのです。
スキーを履いておよそ4時間の登りで姥ヶ岳の山頂に着きました。谷を挟んで向こう側には真っ白な月山の頂が見えます。反対側には日本海と思しき青い水平線もうっすらと見ることができました。

毛バリを飲み込んだ大岩魚

 風が強いので、体が冷えきる前にシールを外していよいよ斜面へドロップです。最初はガリガリのアイスバーンでしたが、慎重に滑り降りるとパフパフのパウダースノーの斜面が待っていました。半分宙に浮いているような感覚は、パウダースノーならではです。斜面を一気に滑り降りて振り返れば、まだ誰も滑っていない斜面に今しがた降りてきた自分のシュプールだけが足元まで続いていました。


 前回に引き続き、民法の遺留分に関する改正のお話です。遺留分の規定は、法定相続人でありながら、遺言により自分以外の特定の法定相続人やそれ以外の人に多くの財産が行ってしまい、その結果財産をもらえなかった方や極端に少ない財産しかもらえなかった方を救済する制度であることは、前々回お話しした通りです。ところで遺留分の権利を行使するには、今回の改正前の取扱いでは、その対象となる相手方に対して「遺留分減殺請求」という所定の手続きをとって遺留分に相当する額の遺産を請求するこができるようになっていました。
ところが、例えば遺産が土地だけの場合ですと、これまでは遺留分の減殺請求により手に入れられるのは、その土地の一部だけということになっていました。つまり、遺言により多くの土地を取得した相続人等に対して土地の代わりに金銭を請求することはできなかったわけです。遺留分の減殺請求によってその土地の一部が自分の土地となっても他の相続人等との共有になってしまいますので、その後売却や賃貸等を行うにしても共有者との協議が必要となる等、何かと問題を残す結果となることがままありました。
それが、今回の改正により土地などの遺産そのものではなく、遺留分に相当する額の金銭を相手方に請求することができるようになりました。
この改正により、遺言をする側としても、不動産や特定の財産を希望する相続人等に確実に承継させることが可能となりました。  なお、遺留分は、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年以内か相続開始の時から10年以内にその請求を行わないと、時効によりその権利が消滅してしまうので注意が必要です。
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