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その99(りらく2019年6月号)
尾根沿いのルート

 5月の連休を利用して鳥海山へスキーツアーに行って参りました。毎年この時期は鳥海へ行くのが恒例となっていますが、「令和」になって初めての鳥海行となりました。

 今回は、特に「令和」に因んだわけではありませんが、「宮様コース」という積雪期だけのルートを登ります。その昔スキーがご趣味の「宮様」が鳥海山にお越しになられた際に、地元の方々がわざわざブナ林を伐採して作ったコースだそうです。夏場は藪に埋もれて立ち入ることすら困難なのですが、雪が積もると「白い道」が現れてくるという不思議なコースです。ところどころ狭くてかなり急な斜面もあり、このコースを滑り降りた「宮様」のスキーの技量が偲ばれます。

ブナの森 晴天下、汗を絞られてこの宮様コースを登りきると「滝ノ小屋」という山小屋に辿り着きます。初日は小屋に泊まって明日に備えます。因みにこの小屋も古いですがたいそう立派にできています。おそらくは「宮様」が泊まられるので奮発して建てられたのでしょう。
おかげで私達もその恩恵に浴しているわけです。

七ツ森 翌日も良く晴れて、早朝、外輪山の伏拝岳(ルビ=ふしおがみだけ)を目指します。途中振り返ると、朝日に照らされた月山がくっきりと見えました。頂上までは約4時間の登りです。外輪山の手前まではそれほど急ではないのですが、その取りつきからはシールも効かないほど急で硬い斜面となりました。慎重にエッジを効かせながら何とか斜面を登りきると、伏拝岳の頂上から雪に覆われた新山が見えました。ここで手を合わせ、下りの無事を祈ります。
あとは、シールを外して斜面を滑り降りるだけです。未だ誰も滑っていない真っさらなザラメの斜面を一気に滑り降りました。


 

さて、後段は今回も、昨年の民法改正により創設された「配偶者居住権」の続きです。
実は、この配偶者居住権には、配偶者短期居住権と配偶者居住権とがあります。
配偶者短期居住権とは、亡くなられた配偶者名義のご自宅に同居していた生存配偶者に自動的に付与される居住権です。遺産分割協議が長引いて自宅を相続する人が決まらなくても、決まるまでの間、生存配偶者の居住権だけは民法の規定で認めるというものです。この配偶者短期居住権は、そのご自宅の建物の帰属が遺産分割協議により確定するまで認められます。
また、遺言により当初から配偶者以外の方(例えば子ども)がご自宅の建物を取得することになっていても、相続開始の日から最低6ヵ月間は短期居住権によりご自宅に住み続けることができるようになっています。

 一方、配偶者居住権ですが、遺産分割協議や遺言により取得することができます。遺産分割協議の場合、建物自体は取得せずに配偶者居住権だけを取得することができます。遺言の場合でも、建物は子どもに、配偶者居住権は配偶者に遺贈すると分けて指定することができるようになりました。建物自体は取得せずに配偶者居住権だけを取得する方が、生存配偶者にとって有利となるケースがあることは、前回お話しした通りです。
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