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その91(りらく2018年10月号)
尾根沿いのルート

 今年も8月のお盆休みを利用して鳥海山へ夏スキーに行って参りました。お盆の時期ですから、暦の上では立秋を過ぎていますので「秋」スキーになるのでしょうか。
 鳥海山の南側、標高1500メートルを超えた斜面には、いつもですと10月いっぱい雪渓が残っており、9月くらいまではスキーができます。もっとも、そこは登山道の脇にある雪渓で、リフトなぞあるはずはなく、雪といってもガリガリの氷のように硬い斜面で、整備された冬のスキー場とは大違いです。しかも、麓の登山口から2時間半ほど、重たいスキー靴とスキーの板をザックに括り付けて結構急な登山道を登っていかなければなりません。

ブナの森 それでも、都会の喧騒と暑さから逃れて、ようやく雪渓までたどり着けば、何物にも代えがたい爽快な気分になります。しかも、今回は晴天に恵まれ、風も穏やかで絶好の日和です。雪面も陽が当たって多少は柔らかくなってきています。

七ツ森 ひと息入れて、スキー靴をザックから取り出して登山靴から履き替え、スキーをセットして、先ずは、雪渓の上端まで登っていきます。スキーのソール(滑走面)はうろこ状になっていて、前には滑りますが後ろには滑らないようになっているので、斜面を登ることができるのです。雪渓の下から上部までは400メートル以上はあるでしょうか。自分の足で登って滑るには丁度良いくらいの長さです。1本目は、雪面の状態を確かめながら慎重に滑り出します。陽の光で多少柔らかくなったといっても表面だけで、次第にスピードを上げると、デコボコの雪面でスキーの板がバタバタと暴れ、その振動が自分の足にも伝わってくるのがわかります。これこそ夏スキーの醍醐味です。この後も何本か登っては滑り降りて、清々しい空の下、存分に雪渓での夏スキーを堪能したのでした。


 前2回にわたって「教育資金の一括贈与の特例」と「結婚・子育て資金の一括贈与の特例」をご紹介して参りました。今回は、この2つの贈与税の特例について、相続税の生前対策として活用した場合の留意点についてお話ししてみたいと思います。
「教育資金」も「結婚・子育て資金」も、親や祖父母が必要な都度支払ったものに対しては、元々贈与税の課税は無いのですが、これらの特例を活用すれば将来必要になる分も一度にまとめて贈与してもらうことができ、贈与を受けた子や孫が「教育資金」や「結婚・子育て資金」として使った分だけ贈与税が非課税となるという仕組みになっています。
この特例を活用して一括贈与をした親や祖父母が亡くなった場合ですが、その使った分に関しては、相続税が課税されません。したがって、相続税対策としては、ご高齢の祖父母から孫に生前に一括して贈与しておけば、相続税の課税対象となる財産を減らせる効果がある訳です。

 ところが、これらの特例を活用して一括贈与を受けた資金の内、使い残しがあった場合、「結婚・子育て資金」については、他に相続や遺贈で取得した財産があると、その使い残した「結婚・子育て資金」も相続税の課税対象にされてしまうという取扱い(生前贈与加算)となっていますので注意が必要です。一方、「教育資金」に関しては、この生前贈与加算の取扱いはありませんので、「教育資金」の贈与の方が相続税の生前対策としては、より確実ということができます。
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