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その80(りらく2017年11月号)
南蔵王の山々

 例年9月下旬から11月の上旬にかけては、秋の紅葉シーズンですね。空気が乾燥していて気温も低めで、お天気にさえ恵まれれば、登山をするには快適な季節です。
 10月の中旬、私のホームグラウンドと勝手に決めている宮城蔵王に行って参りました。今回は、宮城県側の遠刈田温泉から蔵王エコーラインを車で上がり、刈田岳下の駐車場に車を止め、そこから股窪、ろうずめ平、南屏風岳、芝草平を経由してスタート地点に戻って来る周回コースです。宮城・山形を結ぶ蔵王エコーラインから南側は南蔵王と呼ばれる山域で、標高こそそれほど高くはありませんが、屏風岳や烏帽子岳、不忘山などのピークに加え、山あいには高原状の平坦部や湿原が広がっています。単に登って下るだけではない変化に富んだ山歩きが楽しめ、私のお気に入りのコースです。

澄川の源流 駐車場から登山道に入ると、澄川の源流となる渓流までは下りとなっていて、しばらく下っていくと川幅のある渓流が現れます。登山道の辺りは緩やかな流れとなっており、岩魚でも居そうな雰囲気です。実際には、下流に岩魚止めとなっている大きな滝がある為、魚は居ないのですが、竿を出したくなるような素晴らしい渓相です。
この渓流を渡渉すると、股窪と呼ばれるえぼしスキー場からのルートとの合流地点までは、屏風岳の北端の斜面を横切る登山道となります。股窪から後烏帽子岳と屏風岳に挟まれた山あいの登山道を行くと、今度はろうずめ平と呼ばれる平坦部に出ます。ここから屏風岳のピークまでが本格的な登りとなります。

登山道に咲いていたリンドウ 屏風岳は、仙台市内からも横に広がった壁のように見える連山で、あたかも屏風を広げたように見えることから、この名前がついたのでしょう。真冬の晴れた日には、仙台市内からも陽光に照らされた屏風岳が神々しく光り輝いているのを眺めることができます。
 急な屏風岳の斜面を登りきると、芝草平、杉ヶ峰、前山と小さなアップダウンを経てスタート地点に戻ることになります。丁度この時期はリンドウの花が見頃で、登山道の脇の至る所に綺麗な紫色の花が咲いていて、秋の静かな山歩きを堪能することができました。


 さて、今回から、ご自分が持っている財産の承継の方法についてご紹介して参りたいと思います。この財産の承継の方法については、前回、相続、贈与、売買、信託という4つの方法があるとお話ししました。今回は、先ず贈与による方法について少し詳しくお話ししてみたいと思います。
民法の規定によりますと「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。」(第549条)とあります。つまり、贈与が成立する為には、贈与をする人が「自分が持っている○○を誰さんにあげます」と相手側(受贈者)に贈与の意思表示をし、受贈者が「はい、○○を誰さんから頂きました」と贈与者に応えることが条件という訳です。つまり、「○○をあげます。」と意思表示しても、相手がそれに応じなければ贈与にはならないということです。
税務の世界ではこの点が厳しくて、孫にお金を贈与する場合、自分が持っているお金を孫名義の預金通帳に預け入れても、孫がそのお金の贈与を受けたことを認識していなければ、その分は贈与者の財産として認識され、その贈与者が亡くなった場合、その贈与者の相続税の対象とされることになりますので、注意が必要です。次回は、贈与が有効に成立する為の実務上のポイントをご紹介したいと思います。

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