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その73(りらく2017年4月号)

 各地から桜の開花の声が聞かれる季節となりましたが、冬真っ只中の2月上旬、磐梯山の西に位置する雄国沼を訪れてみました。雄国沼は6月下旬から7月初めにかけて黄色い可憐なニッコウキスゲが湖畔一帯に咲き、多くのハイカーで賑わう名勝地ですが、冬場は一面雪に覆われるため、来訪者は冬山装備の登山者や私のようなバックカントリー装備のスキーヤーに限られます。

 裏磐梯の猫魔スキー場からリフトで猫魔ヶ岳の頂上に連なる稜線まで上がり、ゲレンデとは反対側の雄国沼へと続く林間の斜面を湖畔までスキーで滑り降ります。

 湖畔には、丸太で組まれた立派な山小屋があり、そこで休憩を兼ねて一人お昼をいただきます。ところが、リュックに入れてあったカップラーメンを取り出してみると、なんと底が破けているではありませんか! 先ほど斜面で一度だけ転んだのですが、その際の衝撃で壊れてしまったようです。一瞬どうしようかと思いましたが、幸い蓋の方は破けていなかったので、逆転の発想で破けた底を取り払い、カップを逆さにしたままお湯を注ぎ、何とかお昼にありつくことができました。
未だ昼前でしたが、下り坂との天気予報だったので、スキーにシールを貼り、滑ってきたルートを登り返して早めに猫魔スキー場へ戻ることにしました。斜面を登りきり、雄国沼の方を振り返ってみると、風が出てきてすっかり濃いガスに覆われてしまっています。先ほどまでの景色がまるで一瞬の幻であったかのような思いに囚われたのでした。

 老後の財産管理についてですが、今回は預貯金その他の財産についてお話しします。
 年金と併せそれまで蓄えてきた預貯金は、老後の大切な生活資金です。しかしながら、最近はオレオレ詐欺など巧妙な手口でお年寄りの大事な預貯金を狙った事件が後を絶ちません。ではどうしたら良いのでしょうか?
 年金をもらっている方の多くは、その年金の範囲内で日常の暮らしを営んでおられると思います。旅行や耐久消費財の購入等の臨時的な支出は、不足する分をそれまで蓄えてきた貯金を取り崩してお使いになっている方が多いのではないでしょうか。
 私の場合、カードの支払いや公共料金の口座振替等日常的に支払うものは、支払い専用の預金口座にまとめています。まだ年金はいただいておりませんが、お給料など外部から入って来るお金は別の預金口座に預け入れて分けて管理しています。そうすることで、入金専用の預金口座の番号などが外部に漏れないようにしているのです。多少面倒ですが、毎月必要な分だけを支払い用の預金口座に移しています。そうしておけば、万が一カードの不正使用などで支払い用の通帳から勝手にお金が引き出されても、最小限度の被害で済むからです。
 オレオレ詐欺対策ですが、必ず相手がいますので、一人では対応しないことです。面識が有る無しにかかわらずお金の話の場合は、その場で判断せず、必ず周りの家族や信頼できる知り合いの方に相談することが重要です。周りに相談できる人がいない場合は、お金を預けている銀行に相談するのも良い方法です。とにかく、一人で判断してお金を渡さないことが最大のポイントです。これは日頃から肝に銘じておきましょう。
 預金管理で難しいのは、ご自分が高齢で動けなくなった際の対策です。これは次回詳しくお話ししてみたいと思います。

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