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その62(りらく2016年4月号)
北泉ヶ岳山頂

 そろそろ、桜の開花予報が気になる季節となりましたが、この時期、山には未だたくさんの雪があります。そんな中、自宅からも近い泉ヶ岳へスキー登山に行ってきました。泉ヶ岳は仙台市内からもよく見える山ですが、その奥に北泉ヶ岳という双子の兄弟のような山があり、今回目指したのはこちらの方です。

 泉ヶ岳と北泉ヶ岳の鞍部にあるスプリングバレー泉高原スキー場のリフトを利用してゲレンデの上部まで上がり、そこからシールを付けての登高となりました。私を含め5名のパーティです。泉ヶ岳との鞍部の上に出ると、あとは尾根沿いに頂上を目指します。小雪がちらつくお天気でしたが、頂上からは雪に霞んだ大和町方面の景色を眺めることができました。

テレマークで滑る 一休みして皆で記念撮影をしたあと、いよいよ下りです。
雪の状態が悪かったため、しばらくシールを付けたまま下りたあと、やっとお楽しみの滑走となりました。
雪質は重めですが何とか斜面をテレマークターンで滑り降ります。

桂の巨木 途中、大きな桂の木の近くで昼食となりました。皆で持参したスコップで雪面を掘って即席のベンチとテーブルを作り、各自昼食をとります。それにしても大きな木です。おそらく樹齢数百年にもなる木だと思います。今回のルートは登山道が無く、積雪のあるこの時期でなければこの場所に来ることができません。あまり人が入り込めない場所だからこそ、このような巨木が残ったのでしょう。周りを見渡すと他の木の上には熊棚(※)が多数見つかりました。この辺りは広葉樹林帯で、秋になればブナやナラの木などの実がたくさんなり、雪の無い夏場は人気(ルビ=ひとけ)も無く熊達の楽園なのでしょう。これからもこのような楽園を大切にしたいものです。昼食の後は、掘ったところを埋め戻し、一気にスキーで林道まで滑り降りました。

(※)=熊が樹上で食事をする際に小枝を敷き詰めたベッドのようなもの


 さて次は、このところ社会問題となっている「空き家」についてです。街を歩いていて空き家が増えてきていると感じているのは私だけではないでしょう。
総務省の統計(平成25年度)によりますと、全国で空き家の数は820万戸あり、その5年前に比べると63万戸(8.3%)も増加しています。空き家率(総住宅数に占める割合)は、平成10年に初めて1割を超えて11・5%となり、25年には13・5%と、空き家の数、空き家率共に過去最高となっています。
空き家が増加している原因は様々ですが、背景には所有者の高齢化があるようです。相続税の申告案件でも、夫婦だけでずっと暮らしてきて、最初にどちらかが亡くなられ、その後もう一方の配偶者も亡くなられると、その自宅を相続した子どもが別に家をお持ちの場合は、空き家になってしまうケースが殆どです。相続後に、親から相続した不動産を他へ売却したり、建物を取り壊して新たにアパートを建てて賃貸したり駐車場にして活用するケースもありますが、親が住んでいた自宅の場合、実家という思い出深い場所でもあり、残された遺品や家具の整理、処分が心理的な面でなかなか手がつけられないまま、放置されているケースが多いようです。
空き家が問題となっているのは、管理者が不在である為、火災や防犯上のトラブルの原因となっているためです。最近では、特殊詐欺の現金の送付先に空き家が不正に利用された事件が明るみに出たばかりです。
そのようなこともあり、国は、昨年5月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」という法律を創設して施行しています。それに合わせ、国土交通省では、その適切な運用を図るための「ガイドライン」を発表するなど空き家問題の解決に向け、対策を打ちはじめています。税金の問題を含め、次回はこの問題について少し詳しくお話ししてみたいと思います。

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