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その54(りらく2015年8月号)
十和田湖畔

 いよいよ夏本番。アウトドアのレジャーも海、山、川と全てのフィールドで楽しめる季節です。そんな中、先日釣仲間と十和田湖畔にキャンプを張り、心ゆくまで渓流釣を楽しんできました。メンバーは、大阪や京都など遠方に住む数名で、皆釣り大好き人間です。だいぶ以前からみちのくツアーと称して毎年1回、東北の渓流でキャンプをしながらフライフィッシングを楽しんでいたのですが、震災で中断し、今年4年ぶりに再開しました。
 仙台空港にメンバーを迎えに行った後、途中スーパーで買出しをし、車1台のトランクと屋根に釣り道具やキャンプ用品、食材を満載して出発。車の中では、4年前の想い出話やこれから訪れる渓流や温泉の話で盛り上がります。
 十和田湖畔のキャンプ場に着くと、皆で手際よくタープやテントを設営します。阿吽の呼吸であっという間にこの3日間を過ごすベースキャンプが出来上がります。先ずはクーラーボックスから冷えたビールを取り出して乾杯! 運転担当だけはノンアルコールビールです。

渓流の釣 十和田湖の標高は400メートル余り。周辺には多くの渓流と温泉が点在し、夏の暑い時期にゆったりと過ごすには最高の場所です。有名な奥入瀬渓流にも魚は居ますが、観光地で人が多く、魚も擦れて釣りになりません。渓魚は、人に敏感で人影が見えるとどこかに隠れてしまい出てこないのです。今回は、奥入瀬渓流近くの、観光客が来ない静かな渓流が狙い目です。
ひと休みした後、先ずは、皆で近場の渓流へ向かいます。渓流では、メンバー5名が一人ずつ順番でポイントごとに竿を出していきます。他の人が竿を振るのを見るのも参考になり、水面に出てきた魚をうまくヒットさせれば皆から大喝采ですが、しくじると、ブーイングの嵐。楽しいひとときです。

皆で夕食 釣が終わると、途中の温泉で汗を流しキャンプ場に戻ります。焚き火を囲んでお酒を酌み交わしながら、先ほど釣ってきたばかりの岩魚の塩焼きや買ってきた食材を調理しながら話が弾みます。夜空を見上げれば満天の星。やがて酔いが回り、テントに潜りこむと、程よい疲れと相まってあっという間に深い眠りに落ちていきました。


 さて、前回は私の知り合いの方がオレオレ詐欺の被害に遭いそうになった件についてお話ししました。幸いにもご家族の方が事前に気付かれて未然に防ぐことができたのですが、高齢化社会を迎え、お年寄りの方の財産管理は大変難しい時代となっています。
遺言をするにしても税金対策で生前贈与をするにしても、ご本人が正常な判断能力と意思決定能力があることが前提ですので、例えば、認知症が進んで自分の名前すら言えなくなってしまうと、遺言書の作成や贈与契約をはじめご自分の預金の出し入れすらできなくなってしまいます。
そのような場合は、成年後見制度というものがあり、成年後見人を付けて家庭裁判所の監督の基、ご本人(「被後見人」といいます。)に代わってその方の財産を管理したり必要な契約を結んだりすることができるようになっています。しかしながら、成年後見人は、被後見人の利益のためご本人の財産を適切に維持し管理する義務を負っており、たとえ後見人が親族関係にある場合でも、自ら(成年後見人)のために使用することや親族などに贈与・貸付けをすることなどは、原則として認められておりません。
したがって、ご本人が成年後見人をつけなければならない状況となった場合は、相続税対策等の生前対策は事実上不可能となってしまいます。こうした場合、どのような次善の対策が必要なのでしょうか? 次回はご高齢の方の相続対策についてお話ししましょう。

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