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その53(りらく2015年7月号)
鳥海山と滝の小屋

 今年も半年が過ぎ、うっとうしい梅雨の季節となりました。ところが、この季節は、緑も一層濃くなってきて、お天気にさえ恵まれれば、山々は色とりどりの高山植物の花に溢れ、とてもみずみずしい季節でもあります。

 入梅前の6月上旬、月山の麓にあるキャンプ場を拠点に夏スキーと渓流釣りと、それに山菜採りを楽しんできました。梅雨が明けるまでのこの時期、未だ山の上の方には雪が少し残っており、雪渓でスキーを楽しむことができるのです。一方、麓の渓流では雪解け水による増水もおさまり、水温も上がってイワナやヤマメが餌を求めて活性化するので、釣り人にとっては絶好のシーズンとなります。また、山菜もタラの芽やコシアブラはおしまいですが、ワラビやミズ等は6月に入ってもまだまだ楽しめます。梅雨時の山々は自然の恵みに溢れています。

山小屋での宴会 初日月山で夏スキーを楽しんだ後、麓のキャンプ場で今年初めてのテント泊。キャンプ場は標高800メートル近い場所にあり、夜は焚き火でもないとまだ寒いくらいです。火にあたりながら、持参した食材を調理し、お決まりのビールの後はお湯割の焼酎が丁度良かったです。
この日は夜半過ぎから雨となったようで、テントをたたく雨粒の音で目が覚めました。外は未だ少し明るくなったくらいです。しばらくの間、夏用の羽毛のシュラフの中でまどろみながら、雨の音を楽しみます。やがて雨は小降りになり、森の奥の方から小鳥達のさえずりが聞こえてきました。3~4種類くらいの音色が適度に交じり合って、さながら小鳥達による杜の音楽会のようです。そのうち大分明るくなってきたので、テントから起きだしてタープ(天幕)の下で朝食の準備にとりかかります。タープが1枚あるだけで雨中のキャンプも、それはそれで楽しいものです。

外輪山にて 朝食の後、雨もあがったのでテントやタープを撤収し、一旦山を降り渓流で元気なイワナを釣り上げ、帰りは道端に出ていた見事なワラビを採り、帰途につきました。みずみずしい自然を堪能した山形での2日間となりました。


 ところで、今度は税金の話です。先日知り合いの方が、オレオレ詐欺に遭い、危うく大金を騙し取られそうになったという話を聞きました。幸い家族の方が気づかれて被害に遭わずに済んだのですが、ご本人は、ご自分の預金通帳から大金を引き出し、送金しようとしていたところだったそうです。その方は、元会社の社長さんで分別もあり大変立派な経営者だったのですが、現在ご高齢ということもあり、危うく騙されそうになったようです。最近は手口も巧妙化しており、危ないところでした。年金機構の個人情報流出の事件もあり、お年寄りの方(自分も含めて)は今後特に注意が必要です。
ところで、所得税法の規定では、災害や盗難、横領により、保有する現預金やその他の財産に損失が生じた場合(戻ってこない場合)には、その損失の額の一部をその方の年金や給与の所得から控除することができ、税金が安くなるという取り扱い(雑損控除)があります。
オレオレ詐欺でこうむった損失についても適用があるかどうか調べてみたところ、残念ながら、この雑損控除の対象にはならないようです。理由は、オレオレ詐欺の犯人が指定した口座に、現金を振り込み送金する行為自体は、被害に遭われたご本人の意志に基づいてなされたものであり、災害や盗難、横領には該当しない、というのが税務署の判断ですが、いまひとつ釈然としませんね。オレオレ詐欺は手口もますます巧妙化し被害金額も半端な金額ではありませんので、今後税金の取り扱いの面でも善処して欲しいものです。

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