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その49(りらく2015年3月号)
蔵王連峰

 朝晩まだ寒い日が続いていますが、お天気にさえ恵まれれば雪で覆われた山々は神々しいまでに光り輝き、山好きにはたまらない景色が見られます。特に、この季節、仙台市内からも見える蔵王連峰の屏風岳や船形連峰などの銀色に輝く峰々の眺めは、山好きでなくとも楽しみにしておられる方が多いのではないでしょうか?ましてや、実際これらの山々に行って間近に眺めれば、その美しさや雄大さは格別なものがあります。
ところで、最近はバックカントリーといって、ゲレンデ外の山野に分け入り、スキーやスノーボードを楽しむ人たちが増えています。ゲレンデの外は人が入っておらず、パウダースノーといってふかふかの雪の上を滑ることができ、その浮揚感や山中を無事滑り降りた時の達成感はゲレンデでは到底味わうことができない大きな魅力があります。しかし、その一方で最近バックカントリーでの事故や遭難のニュースが目立つようになってきました。

釜房山とダムサイト 私もそんなバックカントリー愛好者の一人ですが、冬の山中は、登山道は雪に埋もれ、道標さえも深い雪の中で、夏山とは全く異なった厳しい環境がそこにはあります。また、冬山の天候は変化が激しく、晴れていても一瞬にして吹雪となったり、ガスに覆われ何も見えなくなるといったこともよくあります。冬山登山のベテランでさえも絶対雪崩に遭わないという保証はありません。バックカントリースキーは大きな魅力がある一方で、常に危険と隣り合わせであることを忘れてはなりません。

ワカサギ 先日冬山でのトラブルに備えるための講習会に参加しました。場所は、北泉ヶ岳の中腹です。内容は、雪崩が起きそうな斜面の見分け方や雪崩で埋まった人の捜索訓練、山中でビバーク(野営)する際の雪洞堀り等です。これらの技術は単に知識として知っているだけでは、いざというときに使い物になりません。インストラクターの方に実地に手取り足取り教えていただき、大変参考になりました。
バックカントリーを安全に楽しむ上で、このような講習会がもっと数多く開催され、多くの愛好家が受講するようになれば、悲しい事故や遭難も随分と防げるのではないでしょうか。


 それでは、税金のお話です。今回は、相続税対策としての生前贈与の方法に関して、配偶者以外の方への生前贈与の方法についてお話しします。
先ず基本は、受贈者一人当たり年間110万円の贈与税の基礎控除を活用することです。毎年この方法(「暦年課税」といいます)で何年かに分けて現金等を相手に贈与していけば、結構大きな金額になります。ただし、この方法は、贈与者が亡くなった場合、その亡くなった日から遡って3年以内に贈与により取得した財産は、その亡くなった方から相続により財産を取得する方の場合、相続財産に加算され相続税の課税対象となりますので、即効性という点では少々難点があります。
ところが、子や孫がいる場合で、相続人とならない孫への贈与は、遺言等により相続財産をもらわない場合、この生前贈与加算はないので、より即効性が高いといえます。ただし、子が親の相続開始前に亡くなっている場合、その亡くなった子の子(贈与者から見れば孫)は民法の規定でその贈与者の相続人となるので、このようなケースでは、贈与者が贈与後3年以内に亡くなりその孫が相続財産を取得する場合は、生前贈与加算の規定が適用となり、即効性はなくなります。
ところで、配偶者以外の方への生前贈与で、贈与者が3年以内に亡くなった場合でもこの生前贈与加算がない取り扱いがあります。それが、祖父母や親から子や孫への住宅取得資金の贈与の特例です。次回は、この特例について詳しくお話ししましょう。

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