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その3(りらく2011年4・5月号)
ヘッドランプと予備の乾電池

この度の地震と津波では、多くの方が亡くなり、生き残った方も家を失って避難所や屋外での生活を余儀なくされました。普段仕事の合間に楽しんでいるキャンプや釣り等のアウトドアライフですが、これはちゃんと帰る家や何不自由ない生活があるからこそ楽しめるものだと痛感しました。長期に渡って避難生活を送られている方を思いますと心が痛みます。

私が住んでいる太白区は比較的被害が少なかったものの、ライフラインが絶たれ、何日か不自由な生活を送りました。そんな中、手持ちのアウトドアグッズが役に立ちましたのでご紹介したいと思います。最も活躍したのは、ヘッドランプとカセットガスコンロでした。

ヘッドランプは、頭にバンドで固定する小型のライトで、両手が使えるので家事や作業をするのに便利です。最近の物はLEDランプなので明るく、電池の保ちも以前のものよりずっと良くなっています。一人一個持っていれば、部屋中を照らさなくとも安全に動くことができます。電池は山へ行く時などは必ず予備を持参しますので、多少買い置きが残っており、今回のように数日間の停電でも心配ありませんでした。夜間の照明にローソクを使う方法もありますが、余震が続く中では危険です。

勝手口のザック

カセットガスコンロのガスボンベも今回の震災ではあっという間に店頭から無くなってしまいました。自宅に若干のスペアがあったので、しばらくの間大変助かりました。

今回の地震は、余震も結構強かったので家の出入り口にはテント、シュラフ、着替え、最小限度の飲料水等を大型ザックに詰め込んでいつでも持ち出しできるようにしています。今のところこれを持ち出すところまで至っていないのは幸いです。


さて、税のお話ですが、今回の震災によって住宅や家具その他の財産が損害を受けた場合には、雑損控除という制度で給与や年金その他の所得から控除することができます。雑損控除の対象となる損害ですが、生活に通常必要な住宅、家具、衣類などの損害がこれに該当します。事業用の資産や別荘、書画、骨とう、貴金属等で1個又は1組の価値が30万円を超えるものなどは雑損控除の対象とはなりません。

雑損控除が適用されるのは、これらの財産を所有していたご本人の他、その方と生計を一にする配偶者やその他の親族で、その年の総所得金額等が38万円以下の方が所有していた財産も雑損控除の対象とすることができます。

また、災害により滅失した住宅、家財などを取壊し又は除去するために支出した金額(「災害関連支出」といいます)などもこの控除の対象となります。なお、控除の対象となる損害額はその損害に対して支払われた保険金等がある場合は、これを差引いた後の損害額となります。

雑損控除として控除できる金額は、雑損額から総所得金額等(年金所得や給与所得、その他各種の所得を合計した金額です)の10%相当額を控除した金額(=A)です。損害額のうち「災害関連支出」から5万円を差引いた金額(=B)が上記のAの金額を上回る場合には、Bの金額が雑損控除の金額となります。また、損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以降(3年間が限度)に繰り越して各年の所得金額から控除することができます。なお、雑損控除は他の所得控除(社会保険料控除や扶養控除等)に先だって控除することとなっています。

この雑損控除を受けるためには来年3月15日までに確定申告を行って確定申告書に雑損控除に関する事項を記載するとともに、「災害関連支出」の金額の領収を証する書類を添付するか、提示する必要があります。
また、雑損控除とは別に、その年の所得金額の合計額が1,000万円以下の人が災害にあった場合は、災害減免法による所得税の軽減免除があり、納税者の選択によりどちらか有利な方法を選ぶことができます。

「りらく4・5月号」掲載

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